Java : 開発環境を構築しよう (Windows)
本記事では、必要最低限の環境構築を行い、Java で Hello world を表示させるところまでを解説していきます。
Java を触ってみたいけど、まずどうすればよいのか…そんなかたの手助けになれば幸いです。
※環境は Windows 10 を対象にしています。
概要
Java の開発を行うには、最低限 JDK が必要となります。
JDK とは Java Development Kit の略になります。
日本語にすると、JDK = Java開発キット ですね。
JDK には、
- java : Java アプリケーションを起動
- javac : Javaソースコードをコンパイル
といった、各種コマンドラインツールが含まれています。
開発の大まかな流れとしては、
- Javaソースコードを javac コマンドでコンパイル
- コンパイルするとクラスファイルが作成されるので、それを java コマンドで実行
- プログラムが実行される
となります。
さて、開発で必要となる JDK ですが、少しややこしい事情があります。
それは、JDK にはいくつか種類があることです。
JDK のソースコード自体は、OpenJDK によってフリーかつオープンにされています。
これをベースに、例えば Microsoft (Azure用) や Amazon (AWS用)、さらにはオラクル自身 (Oracle JDK) も独自にビルドして JDK を作っていたりします。 各 JDK の違いは、ライセンスの違いやサポートの有無などです。
今回は、OpenJDK 自体が提供しているフリーの JDK を使います。
少し試してみたい、という用途であれば OpenJDK がおすすめです。
それでは、開発環境を構築していきましょう。
OpenJDK
ダウンロード
OpenJDK 公式ウェブサイト (画像は 2022/9/14 時点のものです)
まずは OpenJDK をダウンロードしましょう。
上記の公式ウェブサイト(英語) にアクセスします。
ページの右側に Download というところがあると思います。
その中の jdk.java.net/18 の部分がリンクになっているので、そこをクリックしましょう。
補足
- OpenJDK のリリースサイクルは早いので、この記事が古くなっている場合があります。
そのさいは、バージョンのところを最新のものに読み替えてください。
(画像は jdk.java.net サイト 2022/9/14 時点のものです)
上記のページに移動できましたでしょうか?
ここは、OpenJDK がビルドされて、その JDK が公開されているサイトです。
2022/9/14 時点では、バージョン 18.0.2.1 が最新となります。
そちらをダウンロードしてみましょう。
今回は Windows で環境を構築するため、Windows/x64 の横にある zip をクリックしてダウンロードします。
openjdk-18.0.2.1_windows-x64_bin.zip というファイル名でダウンロードできたら完了です。
インストール
無事に OpenJDK がダウンロードできたら、次はインストールです。
OpenJDK にはインストーラはありません。
手動でインストールする必要があります。
インストール自体は単純で、ダウンロードした zip ファイルを解凍して、好きな場所に置くだけです。
今回は D:\java-work\jdk にインストールしてみます。
ダウンロードした zip ファイルをダブルクリックして、jdk-18.0.2.1 フォルダを D:\java-work\jdk へコピー(ドラッグ&ドロップ)しましょう。
無事にコピーできましたでしょうか?
これで、上記フォルダに JDK がインストールされました。
PowerShell を起動
JDK の各種ツールは、基本的にコマンドライン用です。
本記事では、コマンドライン実行のために PowerShell を使います。
タスクバーの一番左にあるスタートボタン(Windowsマーク) を右クリックして、Windows PowerShell を選択しましょう。
(他の起動方法としては、タスクバーの検索から "PowerShell" と入力して探すのも OK です)
PowerShell が起動できたら、D:\java-work に移動しましょう。
本記事では、ここを Javaソースコードを作ったりコンパイルしたりする作業フォルダとします。
移動には cd コマンドを使います。
cd D:\java-work と打ち込んでください。
-- Windows PowerShell --
PS C:\Users\test-user> cd D:\java-work
PS D:\java-work>
これで、D:\java-work に移動できました。
試しに、javac コマンドのバージョンを見てみましょう。
javac コマンドは、OpenJDK をインストールした下記フォルダにあります。
D:\java-work\jdk\jdk-18.0.2.1\bin
そしてバージョンを見るコマンドは次のようになります。
javac --version
それでは実行してみましょう。
-- Windows PowerShell --
PS D:\java-work> jdk\jdk-18.0.2.1\bin\javac --version
javac 18.0.2.1
無事、javac のバージョンが確認できました。
ただ、毎回、jdk\jdk-18.0.2.1\bin ~ と入力するのは面倒ですよね。
次にご紹介する Path 環境変数に上記フォルダを追加することで、パス指定が省略できるようになります。
Path環境変数に追加
ここでは Path 環境変数に、JDK ツールのパスを追加する方法を解説します。
(もし、とりあえず一時的に追加したい、という場合は後述する「一時的に追加する方法」をご参照ください)
まずはコントロールパネルを開きます。
右上の「コントロールパネルの検索」に「環境変数」と入力します。
すると、「環境変数を編集」という項目が見つかるので、そこをクリックします。
環境変数ダイアログが表示されたら「Path」を選択して「編集」をクリックしましょう。
環境変数名の編集ダイアログが表示されたら「新規」をクリックします。
D:\java-work\jdk\jdk-18.0.2.1\bin を入力します。
(bin まで含めてください)
OKでダイアログを閉じていき、コントロールパネルも閉じます。
これで、D:\java-work\jdk\jdk-18.0.2.1\bin にあるコマンドを直接使えるようになりました。
PowerShell を開いている場合は、一回閉じて開きなおしてください。
-- Windows PowerShell --
PS D:\java-work> javac --version
javac 18.0.2.1
jdk\jdk-18.0.2.1\bin ~ という指定なしに、javac コマンドが実行できるようになっていますね。
一時的に追加する方法
とりあえず一時的に追加したいだけであれば、PowerShell から次のように設定できます。
$Env:Path += ";D:\java-work\jdk\jdk-18.0.2.1\bin"
この場合は、設定した Window の PowerShell にだけ Path が追加されます。
PowerShell を閉じたり、開きなおすと Path の設定は元に戻ります。
-- Windows PowerShell --
PS D:\java-work> $Env:Path += ";D:\java-work\jdk\jdk-18.0.2.1\bin"
PS D:\java-work> javac --version
javac 18.0.2.1
Java で Hello world!
開発環境は準備できました。
それでは、Java を実行してみましょう。
まずは Javaソースコードを用意します。
(本記事は開発環境の構築が主目的なので、Javaの文法については割愛します)
public class Main {
public static void main(String[] args) {
System.out.println("Hello, world!");
}
}
上記のコードを、メモ帳などで D:\java-work に Main.java ファイルとして保存しましょう。
ls コマンドでファイルの存在を確認できます。
-- Windows PowerShell --
PS D:\java-work> ls
ディレクトリ: D:\java-work
Mode LastWriteTime Length Name
---- ------------- ------ ----
d----- 2022/09/22 17:47 jdk
-a---- 2022/09/24 14:51 121 Main.java
そして、次のコマンドで Javaソースコードをコンパイルします。
javac Main.java
成功すると、Main.class ファイルが生成されます。
-- Windows PowerShell --
PS D:\java-work> javac Main.java
PS D:\java-work> ls
ディレクトリ: D:\java-work
Mode LastWriteTime Length Name
---- ------------- ------ ----
d----- 2022/09/22 17:47 jdk
-a---- 2022/09/24 14:53 415 Main.class
-a---- 2022/09/24 14:51 121 Main.java
最後に、java コマンドで Main.class を実行します。
コマンドは .class の部分は除いて java Main とします。
-- Windows PowerShell --
PS D:\java-work> java Main
Hello, world!
無事に Hello world は表示されましたでしょうか?
もし表示されたなら…おめでとうございます!
これで Java 開発者の初めの一歩を踏み出せました。
慣れてきたら、ソースコードの main メソッドをいろいろ書き換えて、コンパイルと実行を試してみましょう。
補足
- ソースコードに日本語を使う場合は、ファイルの文字コードは UTF-8 で保存してください。
Java の文字コードはデフォルトで UTF-8 となります。
OpenJDK のアンインストール
インストーラは使っていないので、コピーしたファイルを削除するだけです。
D:\java-work\jdk
上記にコピーした jdk-18.0.2.1 フォルダを削除しましょう。
次に、Path環境変数で追加したパスも削除します。
これで、アンインストールは完了です。
まとめ
- Java の開発には、最低限 JDK が必要です。
- JDK にはいろいろありますが、少し試してみたいという用途であれば OpenJDK がおすすめです。
本記事では、必要最低限の環境構築を行い、Java で Hello world を表示するところまでを解説しました。
どんなに小さなプログラムでも、初めて動いたときはうれしいものです。
ただ、JDK だけの開発ではすぐに不便に感じるかもしれません。
そんなときは、次のステップとして IDE (統合開発環境) の導入を検討してみましょう。